1.老齢厚生年金の退職時改定
・退職時には年金額の改定が行われる。
1)退職時改定のしくみ
老齢年金の受給権者であって、厚生年金の被保険者であった人が退職して、その後被保険者になることなくその資格を喪失した日から起算
して、1か月を経過したときは、年金額の増額改定が行われます。これを退職時改定といいます。
70歳を過ぎてから退職するときは、70歳時点で年金額の増額改定が行われます。これを年金額の増額改定が行われます。退職時改定は特別
支給の老齢厚生年金においても行われます。
2)退職時改定による年金額の改定時期
退職時改定による年金額の改定は、次の1から5にいずれかに該当するに至った日から起算して
1カ月を経過した日の属する月から行われます。
1.事業所または船舶に使用されなくなった日(退職日)
2.任意適用事業所でなくなった日(厚生労働大臣の認可があった日)
3.任意単独被保険者でなくなった日(厚生労働大臣の認可があった日)
4.適用除外事由に該当した日
5.70歳に達した日
2.退職時改定と在職定時改定
・資格再取得により在職時改定が適用されることがあります。
1)資格喪失日から1か月以内に再度資格取得していないとき
8月31日に退職したときは、在職定時改定の基準日である9月1日には
厚生年金の被保険者でないため、在職定時改定は行われません。この場合において、
資格喪失日から1か月以内に再度資格をを取得してなければ、退職時改定が行われます。
2)資格喪失日から1か月以内に再度資格を取得したとき
上の1)のケースにおいて、資格喪失日から1か月以内に再度資格を取得したときは、
在職定時改定が行われます。
3.繰り上げ受給している人の改定
・繰り上げ支給の老齢厚生年金を受給している人の改定時期は状況によります。
1.特別支給の老齢厚生年金が支給される方
1)支給開始年齢に到達前に退職したとき
繰り上げ支給の老齢厚生年金を受けながら在職している人(厚生年金の被保険者)が、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(特別支給開
始年齢)に達する前に退職したときは、退職時改定は行われません。特例支給開始年齢に達した時点で、年金額の改定が行われます。
2)支給開始年齢時点で在職中のとき
繰り上げ支給の老齢厚生年金をうけながら在職している方(厚生年金の被保険者)が、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(特例支給の
開始年齢)になったときは、特例支給開始年齢に達した時点で、年金額の改定が行われます。
3)65歳を過ぎてから退職したとき
繰り上げ支給の老齢厚生年金を受けながら65歳になるまで、在職していいる人(厚生年金の被保険者)は、65歳時点で年金額の改定が行
われます。この場合、65歳に達する日の属する月前の厚生年金額の被保険者期間を基に老齢厚生年金が改定されます。
2.特別支給の老齢厚生年金が支給されない方
特別支給の老齢厚生年金が支給されない方(昭和36年4月2日以降生まれの男性と第2から第4号の厚生年金期間がある女性、昭和41年4月2
日以降生まれの第一号厚生年金期間がある女性など)が、繰り上げ支給の老齢厚生年金を受けながら在職し、65歳前に厚生年金の資格を喪失し
たときは、65歳時点で年金額の改定が行われます。
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2024年11月26日
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